【年末の贈与】12月30日の振込でも今年分の贈与になる?着金が年明けになる場合の注意点を国税OBが解説
結論から申し上げますと、12月30日に贈与契約書をきちんと交わしていれば、着金が年明けになったとしても、原則として「今年の贈与」として扱われます。
ただし、契約書を作っていない場合や、契約書の日付だけを整えている場合には注意が必要です。
いくつかの落とし穴について、順番に見ていきましょう。
①贈与日は「贈与契約書の有無」で変わる
国税庁の取扱いでは、贈与で財産をもらった日(贈与日)は、次のように決まります。
・書面(贈与契約書)がある場合:契約の効力が発生した日
・書面がない(口頭)場合:実際にお金を渡した日(着金日)
つまり、
・12月30日に契約書を交わし、翌年1月4日に着金した場合は「12月30日の贈与」
・契約書を作らず振込だけを行い、1月4日に着金した場合は「1月4日の贈与」
となる訳です。
なお、贈与契約書がない場合に過去の贈与がどう扱われるのかについては、
【国税OBが語る】贈与契約書がなければ過去の贈与は全て無効になるのか?もあわせてご覧ください。

②契約書なしで「年またぎ」すると余分な贈与税がかかることも
年末の振込は年明けの着金になりやすい
年末は、
・例年12月31日~1月3日頃は銀行が休業となる
・年内最終営業日は、他の銀行宛て振込の当日扱いの締め切り時刻が早まることもある
といった事情があります。
そのため、12月30日の夕方に振込手続きをしても、着金は年明けになってしまうケースは珍しくありません。
年明け着金で贈与税が発生する計算例
例えば、お孫さんへの贈与で契約書を作り忘れ、着金が年明けになったうえで、来年も予定通り110万円を贈与した場合は、以下のようになります。
■ 2027年に着金した分:110万円
■ 2027年に予定していた分:110万円
■ 2027年の贈与額の合計:220万円
■ 課税価格:220万円-110万円=110万円
■ 贈与税(特例税率10%):11万円
今年分のつもりだった贈与が翌年分に繰り越されることで、翌年は基礎控除110万円を超えてしまい、本来は不要だった贈与税が発生してしまうのです。
ですので、契約書を作らない場合は、余分な贈与税を発生させないためにも、必ず年内に着金させるようにしてください。
③契約書があっても「日付がすべて」ではない
ここで勘違いしてはいけないのが、「契約書の日付さえ12月30日にしておけば大丈夫」という考え方です。
実際に過去には、契約書を作ったうえで、贈与税の時効を狙って実際に財産を渡したのは何年も後だった、というケースで、裁判所が「契約日ではなく、実際に財産を渡した日に贈与があった」と判断した事例もあります。
税務署も裁判所も、
・本当にその日に、お互いが「あげる」「もらう」と合意していたのか
・契約日と実際の入金日に、不自然な空白がないか、という「実態」をしっかりと見ている訳ですね。
贈与税の時効と現金・預金の贈与の関係については、
【国税OBが語る】贈与税の時効は6年!しかし現金・預金の贈与は時効が殆ど成立しません!で詳しく解説しています。

確実に「今年の贈与」とするための二重の安全策
私のオススメは、
・贈与契約書は年内に、贈与する側・受け取る側の双方が実際に署名する
・振込も(できれば)12月中旬までに済ませ、年内に着金を完了させておく、という「二重の安全策」です。
これなら、どこから見ても「今年の贈与」と説明できます。
年末の贈与は、日程に余裕を持って準備を進めましょう。
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