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【国税OBが語る】ペアローンでマンションを買う時の正しい持分割合とは!夫婦で2分の1ずつ登記すると贈与税?

谷口裕之輔(税理士・元国税調査官)
お客様からのご質問

結婚3年目の共働き夫婦です。子どもが生まれる前にと、4,000万円のマンションの購入を決めました。

頭金800万円は夫が独身時代から貯めていた預金から出し、残りの3,200万円は夫婦それぞれ1,600万円ずつのペアローンを組む予定です。

「2人で住む家だし、2人で返していくのだから」と、登記の名義は2分の1ずつにするつもりでいたのですが、知人から「それだと税金が掛かるかも」と言われ、不安になっています。

1/2での登記は駄目でしょうか?

結論から申し上げますと、今回のケースで持分を2分の1ずつにすると、奥さまに400万円の贈与があったとされ、約33万円の贈与税が掛かってしまいます。

ですが、資金の負担割合に合わせて「夫5分の3・妻5分の2」で登記すれば、贈与税は一切掛かりません。

なぜそうなるのか、順番に見ていきましょう。

①問題は「出したお金」と「名義」のズレ

税務上、夫婦であっても財産は「1人ひとり別々のもの」として扱われます。

そして不動産の場合、

・誰がいくら出したか(資金の負担割合)
・誰がどれだけ持っているか(登記の持分)が一致していなければなりません。

今回のケースで資金の負担額を整理すると

【夫】
・頭金:800万円
・ローン:1,600万円
・実際に負担する額:2,400万円

【妻(質問者さん)】
・頭金:0円
・ローン:1,600万円
・実際に負担する額:1,600万円

持分2分の1ずつだと400万円の「ズレ」が生じる

一方で、持分を2分の1ずつにすると、それぞれ「2,000万円分」を所有することになります。

・質問者さんの持分:4,000万円×1/2=2,000万円
・質問者さんが実際に負担する額:1,600万円
・差額:2,000万円-1,600万円=400万円

つまり質問者さんは、自分では出していない400万円分の不動産を手に入れることになり、この400万円が「夫からの贈与」と判断されてしまうわけです。

持分2分の1ずつにした場合に掛かる贈与税は?【計算例】

夫婦間の贈与は、親子間のような「特例税率」が使えず、一般税率で計算します。

・贈与額:400万円
・基礎控除:110万円
・課税価格:400万円-110万円=290万円
・贈与税(一般税率15%):290万円×15%-10万円=33万5,000円

つまり、「夫婦で公平に登記したつもり」だったのに、余分に33万円以上の税金が発生してしまうんですね。

「贈与税の配偶者控除」は結婚3年目では使えません

なお、最大2,000万円まで非課税となる「贈与税の配偶者控除」もありますが、婚姻期間20年以上のご夫婦が対象のため、結婚3年目の質問者さんは使えません。

配偶者控除の仕組みや、使うと得をする人・損をする人については、
夫婦だったら使うべき?おしどり贈与(最高2,000万円非課税)を使って得をする人・損をする人で詳しく解説しています。

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②夫婦の共有名義は税務署にチェックされやすい

「夫婦間のことだからバレないだろう」は通用しません。

不動産を登記すると、その情報は法務局から税務署へ通知されます。

私が国税の現場にいた頃も、不動産を購入された方には「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」を送り、資金の出どころを確認していました。

特に夫婦の共有名義は、資金と持分のズレが起きやすく、チェックの目が厳しくなるポイントなんです。

贈与税が掛からない正しい持分割合

登記を行う際は、資金の負担額に比例した次の持分割合で行ってください。

・夫:2,400万円÷4,000万円=5分の3
・妻:1,600万円÷4,000万円=5分の2

そうすれば、贈与税は一切掛かりません。

不動産は一度登記すると、後から直すのにも手間と費用が掛かります。

ぜひ購入前のこのタイミングで、ご夫婦で資金の出し方と持分を整理しておいていただければと思います。

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谷口裕之輔
谷口裕之輔
相続専門の税理士/元国税調査官
税務調査官として45年にわたり相続税・贈与税の調査に従事。 退官後、姫路市で相続専門の税理士事務所の代表を務める。YouTube「相続専門チャンネル」(登録者17万人)でも情報を発信中。
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