当事務所が相続税申告で書面添付を利用しない理由|知っておきたいデメリットも解説
①結論:当事務所は書面添付を行っていません
お客様から「書面添付は料金に含まれていますか?」「付けないと税務調査が心配です」というご質問をよくいただきます。
結論から申し上げると、当事務所では相続税申告で書面添付制度を利用しておりません。
ただし、書面添付を付けないからといって、ご心配いただく必要は全くありません。
その理由を、税務調査官として45年勤めて参りました谷口税理士が解説させて頂きます。
②そもそも書面添付制度とは?
書面添付制度とは、税理士が「どのような資料を確認し、どう判断して申告書を作ったか」を記載した書面(税理士法第33条の2)を、申告書に添えて提出する制度です。
書面添付がある申告書について税務署が調査をしたい場合、訪問調査の前にまず担当税理士へ内容を確認する「意見聴取」が行われます。
この仕組みから、「書面添付を付ければ税務調査が来ない」と紹介されることがあるんですね。
③書面添付は「魔法の制度」ではありません
税務調査の対象になるかどうかは、書面添付の有無ではなく申告書の中身で決まります。
- 適正な申告であれば、もちろん書面添付がなくても調査の対象にはなりません。
- 気になる点がある申告であれば、書面添付があっても調査の対象になります。
税理士への意見聴取は形式的に行われ、その後は通常どおり訪問調査に進むのがほとんどです。
税務署は、過去の申告資料や金融機関の取引情報など、税理士より多くの情報をもとに「追加の税金が見込める」と判断した案件を選んでいます。
税理士との事前のやり取りだけで疑問が解消されるケースは、ごく限られているんです。
④かえって納税者側が不利になることもあります
書面添付を行うには、税理士が国税庁のチェックシートに沿って、調査官と同じ目線で財産を確認する必要があります。
その結果、たとえば親から受け取ったお金など、「亡くなった方の財産か、ご家族自身の財産か」の判断が分かれる預金(いわゆる名義預金)について、本来ご家族の財産と主張できる部分まで、まとめて相続財産に含めて申告することになりがちです。
また、判断の難しい部分を無理に線引きして申告すると、その線引き自体が調査で指摘されるきっかけになることもあります。
詳しい事例は、「我が家に税務調査が来なくなる!?魔法の制度〝書面添付〟のウソ・ホント(相続編)」で解説しております。

⑤当事務所の税務調査対策
一番の税務調査対策は、税務署から見て疑問の残らない申告書を作ることです。当事務所では、国税OBの経験を活かし、次の方針で申告を行っています。
- 名義預金など税務署が注目しやすい論点を、申告前にしっかり確認する
- 事実関係を整理し、根拠となる資料を揃えたうえで申告をする
- ご家族の財産と言えるものは、根拠をもってきちんと主張する
なお、❸につきましては、「とにかく調査だけは避けたい」というご希望があれば、その方針に沿って申告内容をご相談しながら決めていきます。どちらの場合でも、書面添付の有無で結果が変わることはございません。
まとめ
- 当事務所では、相続税申告で書面添付制度を利用していません。
- 税務調査の対象になるかどうかは、書面添付ではなく申告書の中身で決まります。
- 事前の確認と資料の準備で、疑問の残らない申告書を作ることが最大の対策です。
料金や進め方など気になる点があれば、お電話・Zoomでもお気軽にご相談ください。


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