【国税OBが語る】親が子供の住宅ローンを肩代わりすると贈与税!銀行への直接返済でも課税される理由と今からできる3つの対策
結論から申し上げますと、お父さんが銀行へ直接返済していても、税務上は「お父さんから質問者さんへの贈与」となります。
ですがご安心ください。今の段階で正しく手続きをすれば、大きな問題にはなりません。
なぜ贈与になるのか、実際にいくら贈与税が掛かるのか、そして今からできる対策を順番に見ていきましょう。
①住宅ローンの肩代わりが贈与になる理由は「誰の借金を、誰のお金で減らしたか」
今回のケースで税務署が見ているポイントは、次の2点です。
・誰の借金が減ったのか
・誰のお金で減らしたのか
住宅ローンの債務者は質問者さんですので、本来は質問者さんが返済しなければなりません。
その返済をお父さんが代わりに負担すれば、質問者さんは「借金が減る」という利益を、無償で受け取ったことになります。
銀行への直接返済でも扱いは同じ(みなし贈与)
これは相続税法で「みなし贈与」と定められており、
①父から息子へ現金を振り込み、息子が返済した場合
②父が銀行へ直接返済した場合のどちらでも、税務上の扱いは全く同じです。
「自分の口座を通っていないから贈与ではない」ということにはなりませんので注意しましょう。
毎月15万円の肩代わりで掛かる贈与税は?【計算例】
今回のケースで、他に贈与を受けていない場合の贈与税は以下の通りです。
・年間の肩代わり額:15万円×12ヶ月=180万円
・基礎控除:110万円
・課税価格:180万円-110万円=70万円
・贈与税(特例税率10%):7万円
金額は大きくありませんが、申告をしないまま何年も続けると、無申告加算税や延滞税が上乗せされてしまいます。
②住宅ローンの肩代わりは「通帳」で税務署に把握されます
私が国税の現場にいた頃、相続税の調査で必ず確認していたのが、亡くなった方の通帳です。
毎月決まった額が子供さんのローン返済に充てられていれば、一目瞭然です。
お父さんの相続時に、過去の肩代わり分が次々と指摘されるケースは決して珍しくありません。
住宅ローンの肩代わりで今からできる3つの対策
① 毎年きちんと贈与税の申告をする
肩代わり額が110万円を超える年は、翌年3月15日までに質問者さんが贈与税の申告・納税を行います。
② 親子間の「借入」にする
お父さんとの間で金銭消費貸借契約書を作り、質問者さんが実際にお父さんへ返済していく方法です。
ただし、返済実績がなければ贈与と判断されますので、契約書を作るだけでなく、実際の返済を続けることが大切です。
③ 相続時精算課税を選択する
届出をすれば、年110万円の基礎控除に加え、累計2,500万円までは贈与時に課税されず、お父さんの相続時に精算する形になります。
(※贈与する方・受ける方の年齢などの要件があります)
相続時精算課税の仕組みや注意点について詳しく知りたい方は、
【完全保存版】2024年以降の相続時精算課税制度を徹底解説!押さえておくべき制度の概要&よく聞かれる質問7選もあわせてご覧ください。

「住宅取得等資金の非課税特例」はローン返済には使えません
親からの住宅資金援助には「住宅取得等資金の非課税特例」がありますが、これは家を新築・購入する際の資金が対象です。
すでに住んでいる家のローン返済には使えませんので、ご注意ください。
特例の対象や要件については、
【2026年最新版】住宅取得資金の贈与は最高で1,000万円までが非課税に!特例を利用するために必要な〝8つの条件〟を解説!で詳しく解説しています。

まとめ
・親が子供の住宅ローンを肩代わりすると、銀行への直接返済であっても贈与税の対象になります
・毎月15万円の肩代わりなら、年間の贈与税は7万円(他に贈与がない場合)
・肩代わりの事実は、相続税調査の際に通帳から把握されます
・対策は「毎年の申告」「親子間の借入」「相続時精算課税」の3つ
お父さんの温かいお気持ちを「税金の火種」にしないためにも、どの方法が良いか、一度ご家族で整理していただければと思います。
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