【節税】贈与税が掛からないお得な方法!子供に車や家を買ってあげる場合は親名義で買いなさい!
親が子供に対し車や家を買ってあげた場合、
● そのプレゼントの金額が贈与税の基礎控除である『110万円』を超えていれば、
● そのプレゼントを受け取った子供には、贈与税が掛かります。
つまり、子供が親から300万円の車をプレゼントされた場合、
車を受け取った子供は、翌年の確定申告時期に19万円の贈与税を支払う必要がある、という訳です。
300万円ー110万円×10%=19万円
(※計算式は本編で詳しく解説します)
ですが子供側にそんなお金の余裕はない、この場合一体どうすれば良いのでしょうか?
そこで今回の記事では、
①子供に車をプレゼントしても贈与税が掛からない方法
②子供に家をプレゼントしても贈与税が掛からない方法
③子供が住む家を親名義で建てると将来の相続税の節税にもなる
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・子供に車や家をプレゼントしても贈与税が掛からない方法についてお話した上で、
・子供が住む家を親名義で建てると将来の相続税の節税になる理由について、具体的な数字を使って解説したいと思います。
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それでは本編を見て行きましょう。
①子供に車をプレゼントしても贈与税が掛からない方法
先日、相続税の節税相談のなかで、お客さんから、
「子供に車を買って欲しいとセガまれているんですが・・・私が子供の車を買ってあげたら、子供に贈与税が掛かりますよね?」という相談を受けました。
そこで私が「いくら位する車ですか?」と聞きますと、国産で300万程の車だそうです。
もちろん親御さんに車を買ってあげられる余裕があるのなら、親のお金で子供にプレゼントをする・しないは自由です。
ですがその場合、車を買って貰った人には、『年間110万円の基礎控除を超える部分』に対し、バッチリと贈与税が課税されます。
では、親が子供に300万円の車を買ってあげた場合、車をプレゼントされた子供には、どれくらいの贈与税が掛かるのでしょうか?
具体的に計算してみましょう。
ⅰ贈与税の計算方法
贈与税の計算は非常にシンプルでして、
この式のように、
● 1年間(つまり1月1日~12月31日の間)に貰った贈与額から、
● 基礎控除である110万円を引き、
● 引ききれなかった金額に税率を掛けて、
● 税額控除を引いた金額が、贈与税の金額となります。
その上で、贈与税の税率には「一般贈与の税率」と「特例贈与の税率」がありまして、画像の様に、直系尊属から貰う贈与は若干税率が低くなります。
今回の贈与は、『親から子』つまり『直系尊属から貰う贈与』になりますから、「特例贈与の税率」を当てはめて計算をします。
そうしますと、
・300万円から基礎控除110万円を引いた金額は190万円ですよね。
・この表に照らし合わせてみますと、基礎控除後の課税価格が200万円以下の場合、掛かる税率は10%で、税額控除はありません。
・ですので課税価格190万円×10%をした19万円が、贈与税の金額となるわけです。
・300万円ー110万円(基礎控除)=190万円(課税価格)
・190万円×10%(税率)=19万円(贈与税)
つまり、この相談者の子供さんの場合、
● 車を買って貰った翌年の2月1日~3月15日までの期間中に、
● 贈与税の申告をした上で、19万円を納める必要がある、という訳です。
税金で19万円といえば、結構な金額ですよね。
車を買って貰った子供さんが、19万円を自分で払えたら良いのですが、
「19万円なんてお金は直ぐには出せない・・・」ということで、あらかじめ贈与税のお金も親に貰っていたとしたらどうなるでしょう。
その場合、車の購入費用の300万円と贈与税の19万円、トータルで319万円の贈与を1年間に受けたことになり、その際の贈与税は先ほどの19万円から213,500円に増えてしまうんです。
さて、子供さんからすれば、
● 車が欲しいけれどお金が無い、
● 親が「車を買ってあげる」と言ってくれているけれど、贈与税を支払うお金もない・・・ 、
このような場合、皆さんならどうすれば良いと思いますか?
答えは簡単です。
『親名義の車を、子供が乗り回せば良いんです』
ⅱ親名義の車を子供が使えば贈与税は掛からない
親が自分の名義で300万円の車を買って、それを子供が使えば、
● この車は子供が親から買って貰った物ではなく、
● 親の物を単に子供が使わせて貰っているだけですから、贈与税は1円も掛かりません。
これを、少し専門的な言葉を使うと『使用貸借(民法第593条)』といいます。
使用貸借では所有権が親に残り、子どもは車を使う権利だけを無償で借りているにすぎません。
したがって財産の移転(つまり贈与)が行われていないため、子どもに対して贈与税が課されない、という訳なんです。
ですので、たとえ税務署が「親名義の300万円の車を子供が乗り回している!」という情報を掴んだとしても、これは贈与には該当せず、税金が掛けられることもありませんので、ご安心下さい。
②子供に家をプレゼントしても贈与税が掛からない方法
更にもう一つ、「子供が住む家の購入資金を、親が出してあげる場合」なんですが、
子供や孫が家を建てる場合の贈与については、『住宅取得等資金の贈与』という特例があります。
【住宅取得等資金の贈与】とは、
●祖父母や両親から贈与で受け取った資金を使って、
●自分が住むための家を、新築・購入・リフォームする場合、
● 受け取ったお金のうち最大1,000万円まで(暦年贈与の110万円と合わせれば最大1,110万円まで)は贈与税が掛からない、という制度です。
(※省エネ等住宅の場合:1,000万円まで非課税)
(※それ以外の住宅の場合:500万円まで非課税)
この住宅取得等資金の贈与を活用して、親が子供の住宅資金を出してあげるのも勿論良いんですが、
先程の車の話と同様、
● そもそもお金を出してくれる親名義で家を建ててから、
● そこに子供が住めばいいんです。
こうすれば、『住宅取得資金贈与の手続き』や『贈与税の申告』自体も必要ありません。
家の表札に子供の名前を掲げたとしても、そもそも家は親の物なんですから、贈与税の対象にもならないんです。
③子供が住む家を親名義で建てると将来の相続税の節税にもなる
また、親名義で家を買うことは、将来の相続税の節税にも繋がります。
ⅰ親名義で家を買うと将来の相続税の節税になる理由
どういうことか言いますと、
亡くなった方の相続税を計算する場合、一度全ての財産を死亡日当日の『時価』で評価する必要があるのですが、
その際、自宅の土地部分に関しては、国税庁が公表している『路線価』というものを使って評価を行います。
そしてここが、この話のミソなんですが、この国税庁が公表している路線価は適正な売買価格(時価)の約8割になる様に設定されているんです。
つまり、
・仮に被相続人が、死亡する前に自宅の土地を5,000万円で購入していたとすると、
・その土地の相続発生時の評価額は、ザックリとですが4,000万円前後となり、
5,000万円×80%=4,000万円
現金で財産を持っていた時よりも、1,000万円ほどお得に故人の財産を相続出来る訳です。
(※4,000万円という数字はあくまでも相続税を計算する際の金額であり、土地の価値は5,000万円のままです)
また、亡くなった方の自宅建物を評価する際には、固定資産税評価額というものを使うのですが、この固定資産税評価額というのは、建築価格(時価)の約7割になる様に設定されています。
(※正確には再建築価格の約7割)
つまり、
・被相続人が死亡する前に5,000万円の費用を掛けて建物を建てていれば、
・その建物の相続発生時の評価額は、ザックリとですが3,500万円前後になるんです。
5,000万円×70%=3,500万円
どうでしょうか。
被相続人が預金1億円を所有したまま亡くなれば、相続税の計算の際にはこの1億円全額を時価で計上しなくてはいけないのに対し、
亡くなる前に土地を5,000万円で購入し、その上に5,000万円の建物を建てることで、
実際は1億円相当の価値がある土地・建物を、相続税評価額7,500万円で相続することが出来るんです。
ⅱ具体的な節税金額を解説
ではここからは、子供が住む家を親名義で建てた場合、将来親が亡くなったときに、相続税がどれくらい節税できるのかについて、具体的な数字を出して解説していきます!
まず、亡くなった方の相続税がどれくらいになるか、というのは、
● 亡くなった方の財産や、
● 財産を相続できる権利が有る『法定相続人』の人数などによって全く違ってきます。
ですので今回は、
● 親の財産は1億5千万円で
● 親が亡くなった場合の法定相続人は、子供2人と仮定して話を進めて行きます。
ⅲ 親が子供の為に家を建てなかった場合
では、親が子供の為に家を建てることなく亡くなった場合の相続税をみてみましょう。
親の財産は、子供のために家も何も購入しておらず1億5千万円のままですよね。
そこから相続税の基礎控除を引くことになりますが、
● この一家の相続人は2人ですので、
● 相続税の基礎控除は3,000万円 + 600万円 × 法定相続人2人で4,200万円です。
基礎控除額の計算
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
= 3,000万円 + 600万円 × 2人
= 4,200万円
ですので、1億5千万円から4,200万円を引いた1億800万円が、亡くなった方の課税遺産総額となります。
課税遺産総額(遺産-基礎控除)
1億5千万円 - 4,200万円 = 1億800万円
相続税の計算をする場合、
● この課税遺産総額を各人の法定相続分(民法で定められた割合)で按分し、
● その後に各人の相続税額を速算表を使って計算します。
つまり、課税遺産総額を各人の法定相続分である1/2で按分すると、課税取得金額はどちらも5,400万円です。
法定相続分で按分(子2人の場合は1/2ずつ)
長男:1億800万円 ×1/2 = 5,400万円(課税取得金額)
次男:1億800万円 ×1/2 = 5,400万円(課税取得金額)
この5,400万円は相続税額の速算表の「5,000万円超~1億円以下」に該当しますので、
5,400万円に掛かる税率は30%、控除額は700万円と分かりました。
あとは計算をするだけでして、
5,400万円 × 30%- 700万円= 920万円ですので、
長男:5,400万円 × 30%(税率)- 700万円(控除額)= 920万円
次男:5,400万円 × 30%(税率)- 700万円(控除額)= 920万円
相続人全体が支払う相続税額は『1,840万円』となりました。
相続人全体の相続税額
920万円 × 2人 = 1,840万円
ⅳ 親が子供の為に家を建てた場合
次に、親が生前に自分名義の家を1億円で建て、そこに子供を住まわせた場合を見てみましょう。
この場合、将来の相続税が幾らになるかなんですが、
・親の現金は5,000万円残っており、評価額はそのまま5,000万円、
・1億円で購入した不動産(土地・建物)は、先ほどの説明通り評価額は7,500万円で、合計1億2,500万円です。
そこから相続税の基礎控除4,200万円(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人2人)引いた8,300万円が、亡くなった方の課税遺産総額となります。
課税遺産総額(遺産-基礎控除)
1億2,500万円 - 4,200万円 = 8,300万円
相続税の計算をする場合、
● この課税遺産総額を各人の法定相続分で按分し、
● その後に各人の相続税額を速算表を使って計算します。
つまり、課税遺産総額を各人の法定相続分である1/2で按分すると、課税取得金額はどちらも4,150万円です。
法定相続分で按分(子2人の場合は1/2ずつ)
長男:8,300万円 ×1/2 = 4,150万円(課税取得金額)
次男:8,300万円 ×1/2 = 4,150万円(課税取得金額)
この4,150万円は相続税額の速算表の「3,000万円超~5,000万円以下」に該当しますので、4,150万円に掛かる税率は20%、控除額は200万円と分かりました。
あとは計算をするだけでして、
4,150万円 × 20%- 200万円= 630万円ですので、
長男:4,150万円 × 20%(税率)- 200万円(控除額)= 630万円
次男:4,150万円 × 20%(税率)- 200万円(控除額)= 630万円
相続人全体が支払う相続税額は『1,260万円』となりました。
相続人全体の相続税額
630万円 × 2人 = 1,260万円
どうでしょう。
・親が子供の為に家を建てることなく亡くなった場合、遺族が支払う相続税額は1,840万円なのに対し、
・親が生前に自分名義の家を1億円で建て、そこに子供を住まわせた場合、遺族が支払う相続税額は1,260万円と、実に580万円もの節税となりました。
さらに今回の方法を使う場合、親と同居している相続人は、親の土地を80%offで相続出来る『小規模宅地等の特例』という制度も使えますので、さらに大きな節税効果を得られるんです。
ⅴ 親から住宅取得資金の贈与を受けていた場合
ちなみに贈与制度の中には、
・親から住宅購入資金の贈与を受けた場合、
・最大で1,000万円までの金額を非課税で受け取れる「住宅取得等資金の贈与」という制度があるのですが、
この制度を使って自分名義の自宅不動産を取得してしまうと、先ほどお話した『小規模宅地等の特例』が使えなくなるので、その点には注意が必要です。
これら小規模宅地等の特例や、住宅取得等資金の贈与については、最新の動向を踏まえた詳しい解説記事も順次投稿予定ですので、今後の記事もぜひチェックして頂ければ幸いです。
ⅶ 祖父母名義の家に孫が住む場合も勿論利用可能
最後になりますが、今回のテーマは別に親から子供への場合に限った話ではありません。
● 祖父母の名義で家を購入して貰い、孫がそこに住むことで、
● 孫は贈与税を払うことなく、新しい家に住むことが可能です。
勿論このケースにおいても、現金を不動産に変えることで得られる節税効果はそのまま使えますので、その点も含めて覚えておいてください。
まとめ
それでは今回の記事のまとめです。
今回は「贈与税がかからないお得な方法!子供に車や家を買ってあげる場合は〝親名義〟で買いましょう」というテーマのもと、
①車も家も「親名義」で購入し、子どもが“借りて使う”形にすれば、所有権は親側に残るため贈与税は課税されない。
②現金を不動産に変えると相続税評価額が時価の約7~8割に下がり、将来の相続税を節税できる。
③親名義の家に親子で同居すれば「小規模宅地等の特例」も使え、土地の評価額をさらに80%減額できる
④この対策は祖父母から孫にも応用可能!贈与税を回避しつつ相続税の節税も同時に実現できる、という内容についてお話しました。

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